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<離婚年金分割の巻>

離婚年金分割で大損をしないために



先日、ずいぶん酷い事件がありました。
こんなことが起こっては人間を信用できなくなりますね。

概略はこんな感じです。



離婚の年金分割(妻が夫の厚生年金をもらえる)をするには
事前に社会保険事務所に出向き、書類をもらう必要があります。

この書類を「被保険者記録照会回答票の情報提供通知書」といいます。
専門用語なので、あまり気にしないで構いません。




お客様(以下、彼女)は住所地の社会保険事務所に
この書類をもらいに行きました。

「被保険者記録照会回答票の情報提供通知書が欲しいんですけど」



そこで窓口担当者は驚くべき発言をしました。

そこで窓口担当者は驚くべき発言をしました。





「では申請書にご記入ください。
発行まで1ヶ月かかりますので、もう1度お越しください」



年金分割をするには、妻は夫の同意をもらわなければなりません。
夫としては、離婚するのに、何も自分の年金を横取りされる筋合いはありませんから
そう簡単にはOKしません。


夫婦のやり取りが何十回にも渡りました。
それを説き伏せて、せっかくOKをもらったのに。

1ヶ月先に「やっぱり年金の話はナシにして」と夫が翻ったら
彼女は泣くに泣けません。


窓口で1人、顔が凍りつきました。


私は分かっていました。
社会保険事務所の職員の発言は真っ赤な嘘です。




「被保険者記録照会回答票の情報提供通知書」を発行するのに1ヶ月もかかりません。
必要書類が揃っていれば、即日、早ければ15分もあれば発行してもらえます。



4月1日から事件当日まで、私は年金分割の離婚を複数扱ってきました。
例外はありますが、ほとんど皆、同じ手続を踏みます。
「被保険者記録照会回答票の情報提供通知書」でつまずいたことはありませんでした。




例えば、東京で即日発行できるものが
大阪では1ヶ月かかるということは許されません。
社会保険事務所のおおもとは社会保険庁で
国の機関だからです。





少し手前味噌になりますが、膨大な数の相談を受けているから
分かることではあります。
もし私が始めて年金分割の相談を受けたら
「ああ、1ヶ月もかかる書類なんだなぁ」とあきらめてしまったかもしれません。





正直、血圧が上がるので、あまり怒りたくありません。
私もお客様も役所も、なるべく穏便に進んだ方が、気が楽だからです。

ただ楽な道を選んで、彼女の努力を無駄にしてはいけません。



この事件、どう解決していったのでしょうか?




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